素材であって、約束ではない
名前のある産地、わかりやすい配合、そしてお話しできる加工の手仕事です。
ガイド · 理解する · 第6章 / 全10章
ひとつの言葉と、シンプルな条件。カカオがどこから来たのかを知り、大切に扱うこと。
カカオマスは水に溶け、やがて泡立て器が泡を立ち上がらせます。準備に費やすこの時間を、私たちは「リチュアル」と呼ぶのが好きです。「セレモニアル」という言葉は、MOOJO では、一杯のカップを、いくつかの明確な選択につなげます。支払う価格、場所、品種、そしてカカオに注ぐ手間です。
ガイド · 理解する · 第6章 / 全10章
チョコレートの前に、カカオを読み直すために。
カカオがチョコレートだけではない理由
基準
この言葉は、素材に何も加えません。ただ求めることを掲げるだけで、私たちは、そのうち6つを選んでいます。
適正な価格は、カカオを育て、収穫し、仕上げる人たちのためのものです。
名前を挙げられるテロワールです。谷、コミュニティ、ときにはたったひとつの庭。
それぞれが内に秘めた味わいの多様さを理由に選んだ品種です。
収穫後の厳密な作業です。発酵から乾燥まで、ロットごとに見届けます。
可能なときは、帆船によるより穏やかな旅です。
アトリエでのやさしい加工です。素材を書き換えることなく、翻訳するように仕上げます。
これがなければ、この言葉は何も約束しません。飾り、安心させ、そしてカカオは黙ってしまいます。
所作
セレモニアルカカオは、演出を求めません。穏やかな熱の水のなかで、ゆっくりとした所作でひらいていきます。すりおろすか割り、加え、素材と水がひとつになるまで乳化させます。泡は飾りではありません。香りを運び、口のなかの感覚を変えます。
この所作は、静けさや、分かち合いや、仕事に寄り添うことがあります。ひとりのままでもかまいません。特別な道具も、私たちのものではない伝統から借りた言葉も必要ありません。カカオを飲みもの、捧げもの、存在として受け継いできたコミュニティには、それぞれの所作があります。私たちは、そのどれも自分たちのものだとは主張しません。私たちが心を配るのは、ひとつの素材と、その素材が求める敬意です。
リチュアルがあるとすれば、それはカップよりずっと前に始まっています。土、カカオポッド、果肉、発酵の日々、火、粉砕。カップは、その連なりが感じ取れるようになる瞬間です。乾いた素材にテロワールが読み取れるなら、水のなかにも読み取れるはずです。砂糖やスパイスの下に隠してしまわなければ。
まずは何も加えずに味わいます。そのあと、望むなら、加えます。素材が本物であれば、素材だけで十分です。
整理する
名前のある産地、わかりやすい配合、そしてお話しできる加工の手仕事です。
伝統は、それを受け継ぐコミュニティのものです。出会いは、私たちがカカオに向ける心配りを育ててくれます。
産地がはっきりしていると、ピュアなカカオには、土地や仕事のニュアンスが現れる余地が生まれます。最初のひと口、そして残る香り。